子どもの生き抜く力を育むことが出来る園舎のない幼稚園『森のようちえん』【西宮市・甲山森林公園】

森のようちえん

お子さまの幼稚園選びはどんなことに注目して選びますか?

園の教育方針から…自宅から近いから!仲の良いお友達がいるなど決め手はあります!

もちろん園によっても特色は様々で、幼稚園選びも大変ですよね…

今回は、一般的な園舎のある幼稚園ではなく、園舎を持たず毎日森にいく幼稚園『森のようちえん』についてご紹介します。

『森のようちえん』ってどんな幼稚園?

『森のようちえん』は、園舎がなく子どもたちが雨の日も風の日も毎日森に通う幼稚園です。

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一般的な幼稚園とは違い、園舎がないので自然の中で1日を過ごします。

子どもたちは、自然の中で過ごすことにより、自立心大人になっても生き抜く力苦境に立っても自分を変化させ乗り越えることができる力を育みます。

保護者が参加する行事も多くあり、子どもの成長をみんなで見届けることができます。

『森のようちえん』の6つの特徴

園舎がなく自然の中で1日を過ごす『森のようちえん』だからこそできることがあります。

『森のようちえん』の特徴は6つ!

  1. 自然の変化を五感で感じられる
  2. 遊ぶ範囲が広い
  3. 常に異年齢保育
  4. 自分の思い通りにならないという経験ができる
  5. 自分のことは自分でする
  6. 相手の意見を聞いて、自分の意見も言える

それぞれ詳しくご紹介していきます。

特徴1.自然の変化を五感で感じられる

子どもたちは、登園後自然の中で1日を過ごします

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雨の日や風の日も屋根のない森の中で過ごすので、子どもたちは自然の変化を五感で感じとって過ごすことになります。

常に自然の中に身を置くことで様々な対応力や想像力が生まれます。

特徴2.遊ぶ範囲が広い

遊ぶ場所は、森の中。約束事は、大人の見えるところだそうです!

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取材中も子ども同士そっちに行っちゃいけないよ〜!大人の見える範囲にいなきゃ!と声をかけながら過ごしていました。

範囲も決められていない広い森の中で過ごすことで、子どもは思い思いの遊びができ、衝突せずゆったりと遊べます

広いというだけですが、子どもたちの気持ちの落ち着きにつながったり、お互いの関係性の落ち着きにつながるそうです。

特徴3.常に異年齢保育

『森のようちえん』では、2歳児から年長さんまでが森の中で一緒に過ごします。

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一緒に過ごしていると、自然と大きい子が小さい子の面倒をみていたり、小さい子は大きい子に憧れて挑戦する気持ちが育つそうです。

2歳児さんに対しては夢の国ファンタジーの世界を大事にしているんだとか…

無理に現実世界に入れず、夢を膨らませて「小人がいるのかな?」など自分の世界を大事にしているそう!

3歳から年長さんには、自由に遊ぶこと。(大人の目の届く範囲で。。。)

大人が思いもつかない遊びを自分達でしていてビックリさせられました。

また、大人が先走ってつい注意してしまそうなことも優しく見守っている先生たちにも感銘を受けました。

特徴4.自分の思い通りにならないという経験ができる

『森のようちえん』は、天気に関係なく一日を森で過ごします。

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「雨が止んで欲しいな〜!」と思ってもやんでくれないような自分の思い通りにならないという経験が沢山できます。

例えば、雨が降っていても木の下で遊べば雨が当たらないとか、カッパを着ていたら外でも楽しく過ごせるということを自分達で考えながら経験することが出来ます。

変えられない相手(天気など)を変えるのではなく、自分がその状況を楽しむためにはどうすべきか、どのようにすれば楽しめるかという考え方が自然と身につくそうです。

大きくなった時、社会に出た時、困難なことがあった時に、相手を変化させるのではなく自分が変化してきた幼少期を思い出し、どんな場面でも自分が変化し対応していく力が身に付きます。

特徴5.自分のことは自分でする

荷物を持つ。着替えなど基本的なことは自分でしています。

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基本的なことを自分ですることで自立心が養えるそうです。

子どもがいらっしゃる方ならわかると思いますが、これって意外と難しかったりしますよね!

誰にも頼らずに一人で大きな荷物を背負って森に向かう姿を見て、とても頼もしく思いました。

特徴6.相手の意見を聞いて、自分の意見も言える

『森のようちえん』では、ケンカをしてもすぐに止めず、お互いの思いのぶつかりあい(展開)を見届けるんだそうです。

すぐに仲裁したり、子どもの言い分も聞かずに止めてしまったり、怒ってしまったり…

親なら一度は経験ありますよね!

大人の思う表面上のままケンカを止めると子どもは消化不良になってしまうんだそうです。

ケンカをしていて、必要であれば介入はするが、お互いの言い分を聞き、何がいけなかったのか、どのような行動をしたらよかったのかなど問いかけをすることで自ら考え、相手の意見も聞けるようになるんだとか…

本当に子どもたちが主体となって活動しているんですよね。

『森のようちえん』の1日の流れ

『森のようちえん』では実際に何をしているのか、どんな流れで1日を過ごしているのかってとても気になりますよね!

↓こちらが基本的な1日の流れになります。

【基本的な1日の流れ】※春夏秋くらいまで…

8:45〜9:00:登園(みんなが揃うまで遊ぶ)

9:05〜9:10:朝の会

朝の会が終わり次第、みんなでお散歩

それぞれ子どもが興味の思うままに散歩
(※大人の見える範囲で。。。)

11:15頃:行き着いた先の広場でお昼ご飯(お弁当)

広場で森あそび

14:00:降園

冬になると、体力もつき約束事もしっかりと身につくので先に森に入って遊んだりします。

お散歩してお昼ごはんを食べて、広場遊びという基本的なことが身につくので順番が変わろうが子どもたちは動じないんだそうです!

 

先生方の思い

今年11年目の『森のようちえん』ですが、園舎がなく森に通うというスタイルを最初はなかなか理解されなかったんだそうです。

開園から5、6年までは一桁だった園児の数でしたが、試行錯誤しながら『森のようちえん』としての現在の落ち着きと共に増えていきました。

現在は、23名の園児がいます。

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先生方は、子ども達の表情がイキイキしていて、さらに楽しんでいる子ども達を見る保護者が喜んでくれてとても嬉しいとおっしゃっていました。

一般的な幼稚園は、子どもを預ける場所ですが、『森のようちえん』は親御さんが一緒に関わっていく場所なので親御さん同士も深い関わりができるそうです。

通っている子ども達が大きくなってもこの園があり、幼稚園という枠を超えてしまうけど、子どもたちが帰ってこれる場所であればとの思いがあるそうです。

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もし、子ども達が思春期になって迷った時、辛いことがあった時、ここに帰ってきて話を聞いたり寄り添える場所にしたいんだそうです!

これから幼稚園選びをされる方へ

幼稚園を選ばれる方へメッセージを頂きました。

最終的には、預け先の人を見るといいそうです!

教育方針だったり、家から近いなど幼稚園を選ぶ魅力的な理由はいっぱいあるけど、子どもがイキイキと過ごせるのかはやっぱり預ける先の人を見てから園探しをしてもらいたい!とおっしゃっていました。

『森のようちえん』の詳細

『森のようちえん』は、甲山森林公園で活動しています。

ご興味のある方は、ぜひ公式サイトからお問い合わせください。

まとめ

今回取材させてもらった『森のようちえん』は、自分ではなかなかさせてあげられない経験ができる幼稚園でした。

子どもが子どもらしく遊んでいる姿って自然がたくさんある場所だからこそなのかもしれません。

現代の子たちは、生まれながらに恵まれた環境、たくさんの情報の中で育っていますが、ゆったりと落ち着いて過ごすって実は難しかったりしますよね。。。

自然の中で思い通りにならない経験を沢山して、心も体も逞しく育った子ども達が大人になった時にまたお話を聞かせてほしいと思いました!