居心地が良い暮らしを【STUDIO AMBER】【中畠 典栄さん】

「居心地の良さ」にこだわり、独学でご自宅をDIY。雑誌にも掲載されるなど注目を集めている中畠典栄さん。北区京地のご自宅で昨年「STUDIO AMBER」の運営を開始。いつもの居場所を「居心地が良い場所」にするためのお手伝いをしている。

DIYを始めたきっかけ

もともと物づくりは好きだったが、美術部というわけでもなく、結婚してからも特別インテリアにこだわる事もなかった。

ただ、唯一こだわったのは「カフェトレイ」。以前カフェトレイをいっぱい並べて使うカフェでバイトをしていた事があり、そういったイメージが大好きだった。カフェトレイを家でも使おうと思い探してみると、大きいものを4人家族分買うと「結構高いやん!」と驚いた。ちょうど引っ越しでお金もかかる時期だったので、それなら作ってみようと思い立ちホームセンターへ。

ノコギリで板を切った事もなく、ホームセンターでどう頼んだらよいのかもわからないド素人。ただ変なプライドで「こんな事もわからないの?」と馬鹿にされるのが嫌で、誰にも聞かず、適当な板を買い、自分で切り始めたのがきっかけ。

自宅には自作のカフェトレイが初期から進化系までたくさん並ぶ。


ある時、ダイニングの自分の椅子に座っていて、ここから見える景色を変えたいと思った。

自宅を新築で購入して3ヶ月足らずで少しずつ手を入れ始めた。始めは現状回復できるようにと、壁にべニヤ板を両面テープで貼り、それに色を塗っていた。それがだんだんと大きな場所になり、両面テープでは危ないと穴をあけたら最後、どんどんエスカレート!

リビング、子供部屋と、手を加えていき、今やさわっていないところを探す方が大変なほど。

DIYへのこだわりは

とにかく居心地を良くしたかった。ここ嫌だなと思った所はどんどん改善していった。

どこかのお店に行って「良いな」と思った部分はいつか自宅のどこかで真似をしたい。だから私の中の引き出しを「良いな」で埋めていった。自宅のインテリアに合うように。

そこが居心地の良い空間になるように沢山作った引き出しをちょこちょこ開けて私なりにアレンジしていった。基本的に掃除が苦手なので、できるだけ飾るということをやめようと考えた。一見飾り風に見える物たちも、実用性のある物を使いやすく置いているだけ。「お洒落にすることで、使い勝手が悪くなるのは本末転倒。ならば「見せておかしくないものにしよう」と、ちょっとした工夫で「飾り」のようにみせている。

インテリア雑誌への掲載

自宅のDIYが進んでいく中、試しに「Room Clip」というインテリアのアプリに載せてみた。たくさんの反響がある中、インテリア雑誌の方の目にもとまり、「主婦と生活社 come home!」への掲載依頼をいただいた。

雑誌への掲載で反響はすごかった。それだけではなく、雑誌のテーマに鍛えられたところもあった。いろんな提案をしてもらえたことで新たな発見があり、勉強をさせてもらえた。

例えば、ホームセンターにある物だけで作れるアイテムを6つ考えて欲しいという発注があった。何時間もホームセンターに入り浸りアイデアを絞りだした。一斗缶の蓋をアレンジしてトレイにしたり、「意外な使い方をする」という勉強になった。また、ちょっとしたアイデアでおしゃれなインテリアに変わったものもあり、自分なりにアレンジするという方法も鍛えられた。

起業のきっかけ

DIYを始めて3年ほど経った頃、子供が通う幼稚園で母親学級の講師として来てほしいと、木工教室の依頼があった。

独学で自己流という事をコンプレックスに感じ、悩んだ時期もあったが、いろいろ調べている内に作り方は人それぞれだと気づいた。そのことがあって、「私の作り方はこれ」という形で良いのかなと思い、何度か引き受けさせていただいた。お母さんたちからの「集中できて楽しかった!」と沢山の声が励みになった。

息子たちにしてみたらこれが日常。でも友達が自宅に来た時に「すごい!」と言ってもらえるのは嬉しい様子。私としても小学生男子にそう言ってもらえることが尚更嬉しかった。そして、自分の友人からも「すごいね」「教えて」と言ってもらえることが多くなり、こういったものを伝えていきたいという想いが強くなっていった。

少しずつDIYを活かせる「仕事」が増えてきたが、それでも起業する気持ちは全くなかった。そもそも私が起業なんておこがましいと思っていた。そんな中、既に起業し活躍している方々との繋がりが多くなりオーダーして頂くことが増えた。そして言われた。「起業して仕事として活動している方が今後紹介しやすい」と。また「起業しても今までと何も変わらないよ」とも。その言葉が私の背中を押し、1年程前にSTUDIO AMBERを立ち上げた。そこで覚悟ができ、自分の夢も広がっていった。

STUDIO AMBERとしてのお仕事は、オーダー家具の製作がメイン。知り合いや友人が、「合うサイズの物が売ってないから作って」という家具の注文が多い。

また、「居心地の良さ」のヒントやきっかけになればと、予約制の木工教室も開催。サイズが決まったものをただ作るだけではなく、せっかく作るならご自宅のサイズに合うものを作って使ってほしいと思い、「ここに棚がほしい」「収納箱が欲しい」など相談も承っている。

また、友達からすすめられて始めた「お家見学」も随時受付中。我が家で見て頂いたものを自分の家でアレンジしてもらい「この場所好き」が広がればそれだけで本当に嬉しい。

STUDIO AMBERの由来は

AMBERって飴色、琥珀のことで「潤滑する」という意味をもつ。

例えば、ここに来られた方が「すごく癒された」という気持ちになって、新たに次に進んでいってもらえたら。マイナスを出しきってプラスのエネルギーをチャージしてもらう。そういう輪をつなげていけたらと願っている。

STUDIO AMBERはそういう場所ですよということを広めていきたい。ここで何かヒントを得てもらって、自分の家でも、「ここ素敵だな」という場所を作ってほしい。それだけで「暮らしがすごく楽しくなる」という事を知ってほしい。

中畠さんにとってDIYとは

DIYの面白さはパズルの最後のピースがはまった感。隙間にピッタリはまると相当気持ちいい。私にとってDIYは居心地が良い空間を作るためのツールにすぎない。とは言えDIYがなかったら今のこの居心地が良い暮らしは無かっただろう。

DIYを敷居が高いと思っていらっしゃる方に伝えたいのは、ちゃんとした材料でなくても、例えばそれは蒲鉾板や素麺が入った木箱、お煎餅の缶やコーン缶でも大丈夫!少し手を加えるだけでお気に入りのアイテムにきっとなる。

私が見付けた「ちょっとした工夫」を伝えていくことで居心地の良い暮らし作りのお手伝いをしたいと思っている。

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