死を前向き捉えて今を大切に生きる【生前整理アドバイザー:わたしホーム代表 陶尾 裕子さん】

「生前整理は死ぬ準備ではなく、ゴールまでどうやって生きるのかを前向きに捉えてもらうもの。」

そう語るのは、三田市のお寺で住職として働くご主人を持つ陶尾裕子(すえお ひろこ)さん。

生前整理のお手伝いをすることを目的として、2020年に「わたしホーム」を設立しました

現在は、さまざまな自治体や団体でセミナー講師をしながら、生前整理を広める活動をしています。また、空き家事業にも取り組むなど活動の幅を広げているとのこと。

そんな陶尾さんに生前整理を始めたきっかけ今後の活動についてインタビューしてきました。

わたしホーム代表 陶尾 裕子さん

♦プロフィール
陶尾裕子(すえお ひろこ)さん
・わたしホーム代表
・生前整理アドバイザー認定指導員
・片づけ収納マイスター

生前遺品整理を始めたきっかけ

三田市友松寺

私はもともと愛知県に住んでいて、お寺で住職として働いている主人と子どもの3人で暮らしていたのですが、主人の仕事の関係で、ご縁があって今の三田市の高平にある友松寺に引っ越してきました。

自分で起業をしようと考えた理由は、時間に融通が利く仕事で自分が興味のあることをしたかったからです。もともと、お寺のお嫁さんということもあって、お寺に関係のある仕事に興味がありました。また、始めるなら地域に貢献出来る仕事やサービスをしたいと考え、最初は遺品整理をメインにやっていこうと思いました。

しかし、勉強していくうちに
「残された子どもたちに迷惑をかけたくない。」
「生きている間に遺品(身辺)整理をしておきたい。」
という人たちがたくさんいると知りました。

それなら、生前に遺品整理をしたらよいのでは?と思い、生前整理に繋がりました。

どういう方がご利用されるか

最近だと、施設に入居を検討されているご高齢の方のご家族からのお問い合わせが多いですね。

親子間だと、ものを捨てる捨てないで揉めることが多いので、第三者である私たちが入らせて頂いています。

施設に入居となると、ごく限られたものしか持っていけないので、持っていくものの選別方法、処分の仕方についてご相談を受けます

三田市で生前整理をする様子

生前整理について興味がある方は多いですが、そのなかで家族がおられる方とおひとりの方では捉え方は全然違います。

家族がおられる方は、いつかやらないといけないけれどなかなか手をつけられない方が多いです。一方で、おひとりの方は自分が亡くなったら片づける人がいないので自分のことを前向きに考えておられ方が多いですね。

おひとりの方は、自分が亡くなったあとのことに不安を抱き、常に心配されているので生前整理をやりたい方が多いです。

大きな会社みたいにプランや方法が決まっている訳ではないので、その方の課題に合わせて問題を解決出できるよう出来る限り利用者さんに寄り添いたいと思っています。

生前整理で前向きな毎日を

生前整理の話をするときに、「死ぬ準備なのでは」と言われる方がいらっしゃいます。

そうではなくて、生前整理をきっかけにゴール(自分が亡くなる)までどうやって生きるかを見直してほしいです。

ゴールがあることを考えて過ごすのと、なんとなく生きるかでは1日1日の時間の価値が全然違ってきます。

私は、よく断捨離や片付けをおすすめします。なぜなら、探しものが多い1日と、探すことが全くない1日とでは、うまく回る1日のほうがよいですよね。結局、人生は1日1日の積み重ねなので、自分にとって必要なものを整理して探しものがない快適な日々を送って欲しいと思います。

生前整理をすることで将来を見通し、今過ごしている1日を快適にする、それの積み重ねでよい人生だったねと言える人生にしてもらいたいです。

実際の生前整理の流れ

まずは、ご利用される方とそのご家族と私で話し合い、何をどこまで捨てるのかを決めていくところから始めます。

また、実際の作業も家の規模によって変わりますが、ご依頼主の方の部屋だけなら私一人でやりますし、お家全体となると数人で協力してやらせて頂いてます。ご依頼主さんがどこまで関わるかも自由に選ぶことができます。

捨てるものについてはこちらから選べないです。ご依頼主さんが捨てると言ったものしか、処分しません。利用者のなかには、使わないけど捨てるのはもったいないという方が多いです。そういった方には買取サービスを勧めたり、リサイクル出来るものはリサイクルに回すことを提案しています。その際は、私と繋がりのある業者さんを紹介しています。

一部の業者さんのなかには強引に処分を勧めるところもあり、怖い思いをされた方もおられました。しかし、お寺の奥さんという安心感と繋がりのある信頼できる業者さんを紹介し、安心して利用して頂いてます。

今後の展望について

生前整理から不動産の管理に至るまでを一つの流れで完結できるようにしたいと考えています。

亡くなられてから、家財の処分や不動産などについて一つずつ調べていくのは大変だと思います。そこで、それらを全て一つの流れで出来るようにするために、信頼できる仲間とのネットワーク強化を頑張りたいです。

あとは、私の考えのなかでは、地域のお母さんの雇用を生みたいという思いがあります。

主婦で生活しているとフルタイムでは働けないけど、地域の役に立つことがしたいという主婦の方が多くいます。そういった方々と連携して、少しでもお金や時間を循環させたいと思っています。そのためにもまずは、生前整理を軸にして、働ける環境と雇用を増やしていきたいです。

当面は、事業拡大をしていくよりも子育てと両立しながら仕事をしていきたいです。そして、生前整理以外でも気になったことを気軽に相談してもらえる窓口になりたいと思います。

陶尾さんに相談されたい方へ

電話番号:090-2345-3010
お問い合わせフォーム:watashi.home.2020@gmail.com
公式サイト:https://watashi-home.com/