「お金をだしてでも、気に入ったものを愛着をもって長く使って欲しい。」
そう語るのは、三田駅前の商店街に店を構える「幸田家具店」の社長である幸田安司さん。
完全オーダーメイドの家具の販売や椅子の座面の張替え、家具の塗装の塗り替えなどの家具リフォームを請け負っています。
また、最近では三田市の市議会議員としても活動中です。
◆プロフィール
幸田安司(こうたやすし)さん/61歳
・三田市商店連合会副会長
・三田市消防団第二分団 元第五班 班長(35年間在籍)
・三田市商工会 総代
・社会福祉法人 理事
・防災士
三田の地で107年続く家具屋の店主として、また議員として家具のことや三田に対する想いについて伺ってきました。
記事のもくじ
家具に対して大切にしている想い
家具に対しては、「何十年も使える家具を修理して使う」という考え方を持っています。
現在では、大手家具・インテリア店さんのような安い家具を何回も買い替えて使うという価値観が、特に若い世代には多いですね。
このような流れに対しては全然良いと思っていますし、仕方ないことだと思います。
しかし、ここで僕が言いたいことはゴミの問題のこと。昨今問題になってる環境問題にも通じることですけど、リユースやリサイクルの一環としてもできる限り家具を捨てないで大事にして欲しいですね。
あとは、家具に対する生活様式としての考え方が変わってきてるように思います。
昔は、家具は道具で生活必需品として扱っていて、使えばつかうほど馴染んできて、家族の団らんの中に家具があった。
今はもう使い捨てになってるね。それが僕にしたら悲しいことですね。できればお金をだしてでも気に入ったものを買って頂きたい。そして、それを愛着をもって長く使って頂きたい。
当店で取り扱っているようなメンテナンスして使える家具は、使ってる木もこういう木でつくりこんでますよっていくら説明しても理解してもらえない人もいますよ(笑)。
幸田家具のお客さんはどんな方が多い?
当店は家具の販売だけじゃなく、家具の修繕で持って来られるお客さんも多いですね。
買ったときよりも高くつくこともありますけど、例えば30年前のものを今張替えってなると買ったときよりもそりゃあ高くなるし、それだけの値打ちのあるものですよとはお伝えしてます。
やっぱり、新しい家具を売るよりも張替えや塗り替えをしたほうがお客さんは喜んでくれますね。
家具の販売をしたお客さんでも、何年かに1回は家具のリフォームを持って来られるお客さんもおられます。当店もそれを待ってるところはありますね(笑)。
こちらからは営業のような連絡はしていないです。
家具の販売については、当店の扱っている家具はまず説明しないと売れないです。
まずは、椅子に掛けてもらって座り心地を十分に体感してもらって、色合いとかを決めてもらう、そんな売り方をしてますね。
市議会議員としての取り組み
議員になったきっかけは、昔から私が応援している議員さんがいまして、その方がお亡くなりになられたときに地域の方から1回やってみたらって声をかけてもらったことですね。
いざ議員をやってみると、出来ないことのほうがほとんどですよ。その中で出来ることがあって、それが出来たときが嬉しいです。出来なくても、そこまでの過程やそこまで導きをすること、これが議員の仕事やと思いますね。
議員になる前から思っていたのは、三田の古い町並みを残して欲しいということ。
これをもっと整理すること。最近になってようやく整備が進んで来たけれど、かなりの家が空き家になっているからね。
できたら今残ってる三田の古い町並みは残していきたいと思ってます。古い町並みを守っていくことが僕の想いですね。
あと、三田市外から来たお客さんが少しゆっくりできる、そんな場所も一緒に作っていきたい。そこが今後力を入れて頑張っていきたいところです。
今後の活動展望
議員として力を入れて頑張っていきたいことは防災のこと、そして若い世代を受け入れていく施策をもっと充実させたいですね。
僕は三田市の消防団に入って35年になるのですが、昔から防災には興味があったんですよ。2018年には防災士の資格も取りました。最近は特に、豪雨なんかの自然災害が非常に多くなってきているから、防災は今後本当に重要になってくると思います。
でも、1番気になってるのは、三田市の人口減少の問題ですね。三田市は、人口がついに11万人を切ってどんどん減少傾向にある。
今後、若い人たちに住んでもらえるような施策や三田で育った子供さんたちが親御さんと一緒に住んでもらえる。そんな街づくりをしていきたい。それを今後も三田市全体で取り組んでいきます。
さいごに
今回取材した「幸田家具店」は創業大正3年で今年で107年目になります。
元々は幸田さんのおじいさんのお兄さんが幸田百貨店という万屋をやっていて、そこにおじいさんが家具を納めていたのが始まりだそう。
その後、第二次世界大戦が始まり、おじいさんが広島の呉の海軍に将兵されてそこの軍港の中で船大工として据付の家具を作っていたといいます。
そんな歴史ある「幸田家具店」の魅力や幸田社長の想いにフォーカスしてご紹介しました。この記事を読んで気になった方はぜひともお店を訪れてみてはいかがでしょうか。
店舗名 | 幸田家具店 |
住所 | 兵庫県三田市前町7番33号 |
営業時間 | 10時~18時30分 |
お電話番号 | 079-562-2557 |
公式HP | https://koda-kagu.com/ |